夢とのつきあい方

1.準備/枕元にメモを置いて眠る

夢を掴まえる為に、眠る前に「夢を見たい、覚えておきたい」と思うことから始まります。夢が掴まえられない人も、興味を持つ事で夢が思い出せるようになります。

逆に、通常は夢見が多い人でも、夢についての興味が薄れている時は「急に夢を見なくなった」と感じることもあります。一晩に少なくとも4つは見ていると言われる夢、始めは一場面だけであったり、登場人物だけを覚えているだけかも知れませんが、諦めずに「今夜も!」と床に就くと、翌日は更に多くを覚えているでしょう。

ただし、無意識が活発になりすぎている時は、異常な数の夢を見たりすることもあります。この時は、あまり考えない方がよいでしょう。

 

2.夢日記をつける

目が覚めたら、起き上がって何かをする前に書き出します。(体を一気に起すと夢がするりと逃げてしまう人は多いようです)

例えキーワードや一場面だけしか出てこなくても、メモしているうちに次の展開を思い出すことも多いので、出てきた事から書いていけばよいでしょう。書いているうちに、思い出した順番が前後していることに気づくかもしれませんが、まとめるのは後で構いません。

忘れてしまった所は無理に思い出そうとしたり、創作しないで、そのままにしておきます。夢日記は現在進行形の文体で書く方がイメージが蘇りやすいでしょう。絵が好きな方は、夢絵日記の方がダイレクトなイメージが残りやすいかもしれません。

 

3.全体を読み返す

記憶を文字に起こしたら、読み返してみます。声を出してみると自分の感情に気づくことが増える場合もあります。

又、心を開いている人に聞いてもらうと、自分では気づかなくても、あるシーンを語る所で声のトーンが強まったり、表情が変化する等して、刺激された部分が解りやすくなるメリットもあります。

 

4.連想を広げる

連想ゲームのように、夢の出来事をきっかけにして、思い浮かぶキーワードや個人的体験・感情等を見つけます。連想は深追いしすぎると頭で考えてしまって、却って遠ざかることもあります。目線を固定して深めるというより、浅く広く拾って行く方がよいようです。

その中で、ふと立ち止まってしまう事象が出てくればそれを吟味します。
自分の内部をダウジングするような感じでしょうか、勝手に反応して自分の心が教えてくれますから、躍起にならないことないことも大切です。個人的には、夢解きとは、ほとんどがこの作業次第だと思います。

例えばある人の夢に「ピアノ」が出てきました。夢の中で鍵盤を掃除していた夢主は、ピアノも演奏する人でしたが、「鍵盤」というより「キーボード」という感じの方が馴染みがあると思いつきました。その発想と同時に、夢で見たピアノを掃除している自分が、PCのキーボードを掃除している自分だと気づきました。

夢主はコンピューター会社勤務で、その姿が会社でのキーボードを前にした時だと納得します。この時に、いくら「ピアノ」の意味を夢辞典で調べて当てはめようとしてもたどり着かないということは容易に解ると思います。

これが夢辞典偏重や夢占い的な暗示だけを頼りにするマイナス面です。また、この「これだ」という感覚は人それぞれの納得する感じであって、「誰が何といおうとこれしかない!」というくらい、すっきりした感じが伴う場合が多いものです。

又、その事象や出来事について考えていると、全く無関係な昔の出来事や人を思い出しているかも知れません。或は、自分では否定したい思いや不愉快な思い付きに行きつく場合もありえます。

しかし、湧き出た事象の中で、心を動かされたものについては、更に連想を広げてください。そこに大きな意味が隠されている場合が多いからです。
その過程で、夢の中の感情と一致する出来事を見つければ、その出来事の意味が夢からのメッセージでかも知れません。更に掘り下げてみましょう。
(ただ独りで掘り下げるにはもやもやしたり、苦しい時は無理はしないでください)

そして、感情的に納得がいく出来事と出会えない場合や、何も浮かばない時こそ、夢の象徴辞典が活躍する時です。

はっとさせられるかもしれませんし、「こんな意味と書いてあるけど、ピンと来ない」かもしれませんが、どのような内容でも構わないので、些細な事でも夢と併せてメモしておくと良いでしょう。

 

5.象徴の意味を当てはめてみる

夢の象徴時辞典を開いた時には、夢に現れたものを全部並べてみても混乱するばかりということが多くなるかもしれません。ある程度印象強いものから探してみましょう。

象徴や意味は興味深いものですし、ある時は全く気づいていなかったものを教えてくれることも多々あります。しかし、繰り返しになりますが、先にあげた自身の連想が優先です。参考にしてみるつもりで辞典を見てみたり、又は、全く何も思い浮かばないものについてを考えるきっかけになる視点をくれるかもしれないという程度で使ってみるとよいでしょう。

又、夢に出てくるものたちは、夢主が馴染んだり受け入れやすい系統通りに現れるような柔軟なものであることも無視できません。

例えばユング派、フロイト派、アードラー、エドガー・ケイシーなど、たくさんタイプがありますが、夢主がどれか一つに傾倒していれば、そのタイプに従った夢の見方をしやすくなるようです。

自分が好むものや合ったもので解釈するのも一つの方法ですが、広く浅く吸収しながら、自分だけの意味もそのうち出てくるでしょうから、そんな辞典を作っていくのも楽しいでしょう。

 

6.思い当たった事を記録する

夢は後で読み返すと意味が解る場合も多いので、記録して残しておくことが奨められます。

1‐前日にあったこと 2‐その日の夢 3‐夢について思ったことや解釈、という順番の日記は、内面を知るための素晴らしい助けになりますが、そこまで大げさでなくても、単に楽しい記録にもなるでしょう。

よく解らない部分はそのまま放置しておき、時々昔のものを読み返してみると、夢を読む方が、当時の事をリアルに思い出せるものになったり、読み合わせてみると、気持ちの流れや出来事の類似点、反応のし方の癖などに気づく場合もあります。夢日記を書く所にも記しましたが、ダイレクトに夢に帰れる為、文章だけでなく、方角や図形、イメージなどをイラストで残すのも良いでしょう。